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目を閉じて聞く音楽がアルツハイマー治療に応用される

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臨床医が語る認知症の脳科学
臨床医が語る認知症の脳科学岩田 誠

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あんまり音楽を聴かないんですが、目を閉じて聞く音楽は、ホラー映画等の怖い音楽であれば「より怖く」、楽しい音楽は「より楽しく」聞こえてくるそうです。ほんとかよって思ったのですが、さらにこれを神経病やうつ病の治療に応用するんだそうです。どう応用するんだ?


音楽を聴いているときに自発的に目を閉じる行為は、暗い場所で音楽を聴くよりも強烈な反応を脳に引き起こすということが研究により明らかになりました。この発見が脳疾患の治療につながることが期待されているそうです。テルアビブ大学脳機能センターのTalma Hendler教授(神経科学者・精神科医)による今回の研究は2007年にCerebral Cortex誌に発表された彼女の研究を基にしたもので、PLoS ONE誌に発表されました。


研究の結果はヒトが目を閉じたときに脳の扁桃体が興奮することを示唆しています。それにより怖い音楽を聴くという行為は感情的にも肉体的にもより強烈な経験となります。逆に幸福な楽しい音楽が、目を閉じて聴くことによってより甘美な経験をもたらすことも考えられるそうです。

暗闇で音楽を聴くよりも、目を閉じて聞くほうが怖い音楽が「より怖く」感じられるみたいですね。目の活動を遮断しているので、そういわれれば納得する。


ホラー映画の怖いシーンでは目をつぶっちゃいかんですな。あくまで目を背けて、目はあけとくみたいな。そもそも見なきゃいいんだが。。


研究成果は以下。

目を閉じて聞いた音楽は脳の中で感情をつかさどる部分に直通ルートで伝わるようです、とHendler教授は述べています。「音楽は抽象的な感情のキャリアで、人の主観的な個人的体験(体験に対し自覚する感情)を容易に操ることができます。しかしながらわたしたちの今回の発見は、音楽の効果が自覚できる部分だけではないことを示しました。fMRIにより、目を使っていないときには音楽による脳の変化がより顕著であることが確認できました」


Hendler教授の研究室のポスドクYulia Lerner博士は15人の健康な被験者に、ヒッチコック映画に使われるような不気味な音楽を聴いたあとメロディのないニュートラルな音を聴いてもらい、これを目を開いた状態と目を閉じた状態で2回繰り返しました。その間脳の活動をfMRIで観察したところ、被験者が怖い音楽を聴いているときの脳の活動のピークは目を閉じているときに起こりました。この結果は目を閉じているときの方が音楽によって大きく感情をかきたてられた気がした、という被験者からのフィードバックとも合致するものでした。


脳の中で感情をつかさどる扁桃体の活動は、被験者が目を閉じているとき顕著に活発であったそうです。「感情的な刺激に面したとき目を閉じることは、人々がさまざまな精神状態を乗り越える助けとなるかもしれません。目を閉じたとき、脳内の神経伝達の同期が起こります。これがなぜ、どのように起きるのかは正確にはわかりませんが、目を閉じたときに脳は感情的体験の高低をよりうまく統合することが可能になるのです」とLerner博士。


音楽は脳にバランスをもたらし、情動と認知の統合を容易にします。音楽が思考を助け、学習能力を高める可能性もあるそうです。「だからと言って、子どもが勉強中に大音量でヒップホップを聴くのを許すのはちょっと待ったほうが良さそうです。さらなる研究が必要です」と博士は警告しています。


「この研究は非侵襲性(機器を体内に挿入しない)方法でこういった状況下で脳内では何が起きているかを観察した初めてのものです」とHendler教授。ささいな身体の挙動が感情のバランスや質に根本的に影響することもあります。少し前には、アメリカの教師たちが多動児は座っているより立った状態の方が学習効率が高いことを発見した例もあります。Hendler教授は、今回の怖い音楽を用いた研究結果は「目を開いている・閉じているといった、人の身体状態に対するわずかな操作がわたしたちの精神的経験を変えることができるという一例に過ぎません」と語っています。


この発見が、より持続的で大きな効果を持つ非薬物的な治療法に応用できるのではないかと研究者たちは期待しています。今回の発見は身体的活動と感情的活動の脳内でのコネクションに触れたに過ぎない段階ですが、将来的に音楽療法でうつ・統合失調症・パーキンソン病などの精神疾患の症状を緩和できるようになる可能性は十分にあるとHendler教授は考えています。


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